これからエンジニアを目指す方は、「Ruby」と「PHP」どっちを選べばいいのか迷うところだと思います。
プログラミング言語による違いなんて、長く使っていないと見えてこないので、「初心者には判断が難しい」というのが正直なところ。
結論からいうと、どちらの言語を選んでも後悔することはありません。
Rubyにしろ、PHPにしろ、どちらも仕事はたくさんあり、業務で使う機会は多いからです。
それにWebエンジニアを目指すのであれば、どちらのプログラミング言語も扱えるようになっておいて損はしません。仕事も増えますから。
ただ、それでも「どっちがおすすめなの?」と聞かれたら、僕は「Ruby」と答えるでしょう。
Rubyはプログラミング講師をしている僕から見ても、初心者にベストな言語だからです。
今回は、これから学ぶプログラミング言語で迷っている方に向けて、RubyとPHPの違いについて詳しく紹介していきます。
もくじ
RubyとPHPの違いとは
まずは、RubyとPHPの違い知るためにも、それぞれのプログラミング言語の特徴を見ていきます。
どんなプログラミング言語にも、その言語が作られた理由や目指しているものがあることを知っておいてください。
- Rubyとは、楽しくプログラミングするために作られた言語
- PHPとは、Webサイトを開発するために作られた言語
これらを踏まえたうえで、さらに詳しく見ていきましょう!
Rubyとは
Rubyとは、「楽しくプログラミングできる」よう設計されたプログラミング言語です。
これは、ほかの言語と比べて大きく違う点です。
PHPに比べて記述方法にも幅があり、コードも直感的に理解できるようになっているため、Rubyのコード見ると「美しいな」と感じることも多いはず。
また、Rubyには強力なWebフレームワークである「Ruby on Rails(通称:Rails)」の存在も大きいです。
Railsを学ぶ過程で、プログラミング以外にも「インフラ」や「セキュリティ」などの知識を学ぶことになるため、総合的なスキルアップに繋がります。
もちろん、フレームワークはRails以外もありますが、「Railsを採用している企業が多い」というのが現状です。
そのため、初学者は「Rubyを学んだあとは何を学べばいいんだろう?」といったことにはならず、Railsの勉強に集中することができます。
特に独学で学ぶ場合は、勉強用コンテンツである「Railsチュートリアル」が、完成度も高くおすすめです。
また、Railsはプログラミングスクールでも採用しているところも多いので、学びやすい環境が揃っているといえますね。


PHPとは
PHPとは、「Webサイトを簡単に開発する」ために作られたプログラミング言語です。
そのため、動的なWebサイトを簡単に構築できるなどのメリットがあります。
ですが逆に、Web以外のアプリケーション開発には向いていません。ここが、Rubyとの大きな違いになります。
また、PHPのフレームワークにはいくつも種類があり、そのどれもがプロジェクトで使われています。
そのため、「このフレームワークさえ覚えておけば大丈夫!」とはいえない現状であり、フレームワークに関しての学習コストは少し高めです。
どれも似たようなものなのに、微妙に違うという部分を覚えなくてはいけないため、正直スキルアップ目線で答えると「少し非効率」かもしれません。
もし、PHPフレームワークをこれから学ぶのであれば、最近のトレンドである「Laravel(ララベル)」がおすすめです。
ただし、Railsのような完成度の高いチュートリアルはありませんので、注意してください。
プログラミング難易度で比較
RubyとPHPのプログラミング難易度を比較すると、少しだけRubyのほうが難しいかもしれません。
Rubyでのプログラミングは、「オブジェクト指向」という考え方を理解していなければ、ちょっとしたプログラムでも詰まる部分が出てくるからです。
また、RubyはPHPよりも記述方法に幅があり、覚えることも少し多いです。
ですが、これらは実務に入ると役に立つことが多いので、覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに、PHPに関しては「簡単」というイメージが、IT業界にはありますね。
ただし、さきほどもお伝えしたように、PHPはフレームワークをいくつか覚える必要があるため、プログラミング言語以外の習得が大変でしょう。
RubyとPHPの将来性で比較
RubyとPHPを比較した場合、どちらに将来性があるのでしょうか?
実はどちらの言語も非常に人気があるため、このさきを考えても廃れる心配は不要だと思います。
というのも、いまのIT業界はどこもエンジニアが不足していて大変な状態。
つまり、Webエンジニアは常に「ひっぱりだこ」なんですよね。
ちなみに、案件の数や年収で比較すると、PHPのほうが案件数は多く、Rubyのほうが年収は高いです。
これも微妙な差なので、どちらの言語であっても仕事はたくさんありますし、年収もそれなりにもらえるでしょう。


RubyとPHPどっちを選べばいい?
RubyとPHPの違いを紹介してきましたが、結局どっちを選べばいいのでしょうか?
僕は、以下の理由がない限り「Ruby」を選んだほうがいいと思っています。
- PHPで開発したい理由がある
- 色々なフレームワークを使いたい
たとえば、「WordPress(ブログなどのコンテンツ運営に使うPHP製のツール)のプラグインを作りたい!」のような明確な理由がある場合や、「色々なフレームワークを極めたい!」って方にはPHPもおすすめです。
ですが、効率よくスキルアップし、効率よくお金を稼ぎたいというのであれば、Rubyを選んだほうがいいでしょう。
Ruby、Railsと順番に学んでいくことで、一通りのWeb知識が身につき、それらの知識をそのままRuby案件で活かすことができます。
しかし、PHPの場合だとフレームワークも色々あり、1つ覚えても「実際の職場では使わなかった」というのはよくある話です。
その場合、フレームワークの勉強にコストがかかってしまい、スキルアップから少し遠ざかってしまいます。
色々な種類の包丁を使いこなすよりも、鍋やフライパンの使い方を覚えて、料理を作れるようになったほうが結果を出しやすいって話です。
また、年収に関しても、Rubyエンジニアのほうが少し高めなことも魅力的でしょう。
Railsまで使えるようになれば、企業としてもほかのフレームワークを教えるコストが発生しないため、未経験者でも採用しやすいです。
最悪、Rubyの企業が見つからなかったとしても、「Railsを使えます!」とアピールできれば、PHP企業の応募でも有利に働きます。
同じ未経験者でも、フレームワークを使えるかどうかは、大きな差があると思っていいです。
企業側もフレームワークを使えたほうが、早い段階で戦力になると考えられますからね。
もちろん、PHPのフレームワークでも同じことなのですが、応募する企業が使っているフレームワークと一致するかは完全に運なので、それならRailsでも変わらないという話です。

まとめ:効率的にプログラミングを学ぼう!
RubyとPHPの違いについて、簡単にまとめます。
- Rubyは「楽しい」、PHPは「簡単」
- Rubyは年収は高く、PHPは案件が多い
- RubyはRails、PHPは複数のフレームワークを覚える必要がある
冒頭でもお伝えしたとおり、Webエンジニアを目指すのであれば「Ruby」をおすすめします。
Rubyは未経験の方でも楽しくプログラミングでき、フレームワーク選びで迷う心配もないため、学習に集中できます。
また、Railsを使えるようになれば、未経験者でもスキルを証明しやすく、転職も有利になります。
ただ、どんな言語であれ、プログラミングには難しいと感じる部分がたくさん出てくるもの。
「エンジニアになって人生を変えてやる!」と意気込んでみても、詰まって先へ進めなければ、モチベーションの維持も難しいでしょう。
独学で頑張るのか、プログラミングスクールで効率的に学ぶのか、自分が挫折せずに続けられるほうを選びましょう。
途中で投げ出してしまっては、時間を無駄にしてしまうだけですからね。
またね、キツネ(@kitaaaa_kitsune)でした!

