僕は新人教育研修担当として、新入社員にプログラミングを教えています。
もちろん、新入社員はプログラミング未経験です。
研修は約2か月間あり、その期間に1人でWebサイトを作れるようになるレベルを目標にしています。
そして、その研修で採用しているプログラミング言語が「Ruby」なんです。
なぜ、僕が未経験者向けの研修に「Ruby言語」を採用しているのか?
それには、以下のような理由があります。
- 初心者でも楽しくプログラミングできる
- 未経験者にも理解しやすい
- プログラミング言語の基礎を学びやすい
- 実用的なプログラミング言語である
実際にRubyで研修を受けた社員からも、「楽しかった!」という声が本当に多いです。
プログラミング初心者にとって、何よりも重要なことは「続けること」だと僕は思っています。
一度でも「つまらない」と感じてしまうと、だんだんと勉強するのが嫌になり、挫折してしまいやすいのがプログラミングでもあります。
もちろん、Ruby言語であってもプログラミングには変わりないので、楽して学べるというわけではありません。
ですが、比較的理解しやすい言語なのは間違いないでしょう。
そして、理解しやすいだけでなく、WebサイトからTwitterなどのアプリまで、様々なシステムを作ることのできる実用的な言語でもあります。
また、ほかのプログラミング言語と比べて需要も高く、年収も高めになっているのも魅力的です。
僕自身もCやJava、PHPなど様々な言語を学んできましたが、Rubyに出会ってからはプログラミングがさらに楽しくなりました。
そんなRubyの魅力をプログラミング初心者にもわかるよう、簡単ですがご紹介します!
もくじ
プログラミング初心者におすすめ言語「Ruby」とは
Rubyは、プログラミング初心者にこそおすすめしたい言語です。
そもそもRubyとは、日本人であるまつもとゆきひろさんが開発した「国産のプログラミング言語」です。
作者のまつもとゆきひろさんは、Rubyについて以下のように「楽しさ」と「実用性」について語っています。
Ruby には Perl や Python とは決定的に違う点があり、それこそが Ruby の存在価値なのです。それは「楽しさ」です。私の知る限り、Ruby ほど「楽しさ」について焦点を当てている言語は他にありません。Ruby は純粋に楽しみのために設計され、言語を作る人、使う人、学ぶ人すべてが楽しめることを目的としています。しかし、ただ単に楽しいだけではありません。Ruby は実用性も十分です。実用性がなければ楽しめないではありませんか。
引用:Wikipedia
つまり、Rubyは以下のような特徴があるのです。
- Rubyを学ぶだけの人も楽しめる
- 実際にプログラミングする人も楽しめる
- 楽しいだけじゃなく、実用性も高い
僕がプログラミング初心者に「Ruby言語」をおすすめする理由が、なんとなくわかってもらえたかなと思います。
では、Rubyの魅力についてもっと詳しく見ていきましょう!

Rubyは未経験者も楽しめるプログラミング言語
さきほど、Rubyは未経験者でも「楽しむ」ことを目的として作られたプログラミング言語だとお伝えしました。
では、具体的に他のプログラミング言語と比べて、どこに「楽しさ」を感じるのでしょうか?
実はこれ、あなたが実際にプログラミングをしてみないと、なかなか実感できないレベルの話になります。
それでも未経験者の方に向けて、わかりやすく説明すると
- 綺麗なコードが書ける(無駄なことを書かなくていい)
- 直感的に書ける
この2つです。
僕はほかのプログラミング言語も使っているので余計に感じやすいのですが、コード(プログラミングした文字のこと)がとっても簡潔に綺麗に書けるんですよね!
他のプログラミング言語だと、すこし古臭いというか
「この部分の記述は省略しても良さそうなのに…」
「こんなふうに書けたら、もっと見やすいのに…」
と、感じることが本当によくあります。
もちろん、何も知らない初心者プログラマーであれば
「そう書かなければいけないんだな!」
で納得してしまい、Rubyの魅力に気付きづらいかもしれません。
ですが、Ruby以外のプログラミング言語を経験しているプログラマーであれば
「おお!めっちゃ直感的!そして綺麗!」
と、驚くばかり。
頭の中で「こうしたい!」と浮かんだことをそのまま打ち込めるので、ストレスなく楽しんでプログラミングできるのです!
「Rubyは極力無駄を省くことで、綺麗なコードを直感的にプログラミングできる言語」
これこそが、プログラミング未経験者にRubyをおすすめする「最大の理由」になります。

Rubyは初めてでも理解しやすく基礎となる言語
プログラミングの世界には、「オブジェクト指向」という考え方があります。
オブジェクト指向は、プログラミングをしている方であれば必ず通る道であり、同時に初心者がつまずきやすいところでもあります。
ですが、なんとRubyは、すべてがオブジェクトでできている言語なのです!
「え?何をいってるの?」
大丈夫、いまは理解する必要ありません。
オブジェクト指向は実際にプログラミングを勉強していくなかで理解できればいいからです。
そんなことよりも、ここで僕が伝えたいのは、オブジェクト指向など「初心者がつまづきやすいポイントもRubyを学ぶことで理解しやすくなる」ということなんです。
これは実際にやってみないと実感できないことではありますが、初めて学ぶプログラミング言語というのは非常に重要になってきます。
未経験者が「始めてのプログラミング言語」として選ぶ基準は
- 理解のしやすさ(途中で投げ出さない)
- ほかのプログラミング言語を学ぶときにも応用できるか
いきなり難易度の高いプログラミング言語や、応用しづらいプログラミング言語から始めてしまうと、学習効率が悪く、非常に多くの時間を費やすことになります。
これは算数で「たし算」を学ぶ前に「かけ算」を学ぶようなものです。
とはいっても、プログラミング未経験者からすると、どの言語も同じに見えてしまい、どれを選べばいいかなんてわからないと思います。
そこで間違った言語を選ばないように、「とりあえずRubyから始めませんか?」という話なのです。
Rubyなら大丈夫。さきほどの条件をしっかり満たしています。
- 初心者でも直感的に理解できる(特にオブジェクト指向)
- 基本的な構成や考え方は他の言語にも置き換えやすい
Rubyはプログラミング初心者でも習得しやすく、その考え方や構成はほかのプログラミング言語にあてはめて考えてみても、理解しやすい言語になっています。
このことは、実際に僕が教育したプログラミング未経験者がRubyで研修し、その後もPHPやJavaScriptなど、ほかのプログラミング言語をスムーズに理解できていることからも明確です。
ちなみに、こういう話をすると
「プログラミング言語って、たくさん覚えなきゃいけないの?」
って思ってしまうかもしれません。
ですが、そんなことはありませんよ。実際に業務で使うプログラミング言語は数個ですから。
Rubyしか使えない人もいれば、Rubyだけでなく、ほかの多くの言語を扱える人もいます。
ただ、「だいたい3つくらいは扱える」という人が多いでしょう。
まあ、まずはそんなことを考えずに、1つのプログラミング言語をマスターすることに集中です!
仕事上、必要になったタイミングでほかの言語も覚えていけば大丈夫。
最初に学んだ言語でしっかりと知識のベースが作られていれば、ほかの言語の習得もそれほど難しくはありませんから。
ちなみに、「すべてのプログラミング言語をマスターしよう!」なんて強者(変態?)プログラマーは、ほとんどいませんよ。

Rubyを未経験者が最初に学ぶメリット
プログラミング未経験者が、Rubyを最初の言語として選ぶことはとっても合理的な判断だと思います。
なぜなら、Rubyには楽しさ以外にも「実用的」なメリットが存在するからです。
- Rubyは様々なアプリケーションを作れる
- Rubyエンジニアは未経験でも転職しやすい
Ruby on Railsを使えば簡単にアプリを作れる
「Rubyは未経験者におすすめしているような言語だから、単純なシステムしか作れない?」なんて思ってしまうかもしれませんが
そんなことは全然ないので安心してください!
Rubyは、TwitterのようなSNSからクックパッドのようなWebサイトまで、様々なアプリケーションを開発する(作る)ことができます。
さらに、これらのアプリケーションを簡単に開発できる「Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)」という、とっても強力なフレームワークが存在することも魅力的です。
フレームワークというのは「簡単にアプリケーションを作るための枠組み(ルール)」のことだと思ってください。
実は、Rubyを使うプログラマーのほとんどが、このRuby on Rails(通称Rails)を使って開発しています。
もちろん、RubyのほかにRailsの使い方も覚える必要はありますが、一度覚えたあとは「誰でも簡単に短時間でアプリケーションを作れるようになる」というメリットがあります。
プログラマーを目指す方はRubyを覚えたあと、そのままRuby on Railsを学ぶことがほとんどです。

Rubyエンジニアは未経験でも転職しやすい
Rubyエンジニア(Rubyを使えるプログラマー)は、ほかの言語のエンジニアと比べて、以下のような特徴があります。
- ライバルが少ない
- 転職しやすい
- 年収が高い
Rubyエンジニアの需要はどんどん上がっているのに対し、Rubyエンジニアが足りていないというのが現状です。
そのため、PHPなどほかの言語エンジニアと比べてライバルも少なく、未経験者であってもRubyやRailsが使えることを証明できれば採用に繋がりやすい特徴があります。
また、Rubyエンジニアの価値が上がっていることで、プログラミング言語別の平均年収では常に上位にランキングされています。

まとめ
さいごに、もう一度Rubyを学ぶメリットを見てみましょう。
- 直感的に書けて楽しい
- 簡潔に書けて見やすい
- 理解しやすく、基礎をしっかり学べる
- Ruby on Railsを使えば様々なアプリケーションを簡単に開発できる
- Rubyエンジニアは転職しやすい
- Rubyエンジニアは年収が高め
まずは、何よりも「楽しむ」ことが大切です。
僕がRubyを教えているプログラミング未経験者も「楽しかった!」と好評でした。
簡潔かつ直感的に書けるRubyこそ、プログラミング初心者が最初に学ぶ言語だと思っています。
ただ、ここで1つ注意してほしいのは「誰でも簡単に覚えられるわけではない」ということです。
これはRubyに限らず、どの言語であっても同じことがいえます。
1つの言語を理解するだけでも多くの時間が必要ですし、独学ではつまずくところもたくさんあります。
職場では僕が講師としてサポートしていますが、独学の場合は教えてくれる人がまわりにいないため、挫折してしまう方も多いでしょう。
誰だって壁にぶつかったまま前へ進めないと、自分の成長をなかなか感じられず飽きてしまいますよね。
趣味で覚えたい方や自分のペースでゆっくり勉強したいという方は「独学」を、「プログラマーになりたい!」という明確な目標を持っている方は「プログラミングスクール」を選ぶと、早く結果を出せると思います。
またね、キツネ(@kitaaaa_kitsune)でした!

